2018年02月02日
特許庁は、中小企業に対する審査請求料、特許料等の軽減制度の大幅
な見直しを進めています。中小企業を一律に対象とするため、黒字企業
を含めた中小企業全体が対象となります。また、その手続も簡素化しま
す。
手続の簡素化の先行的な取り組みとして、2018年4月からは、現
在、特許料納付の都度求めている特許料の軽減申請書の提出を初回の特
許料納付時のみとする運用改正を行う方針です。なお、減収見込み額を
補填するため、一部の料金は引き上げられる予定です。
特許庁によると、中小企業からの審査請求のうち、軽減申請を行った
企業の割合は、およそ3分の1程度にとどまっています。利用が少ない
原因としては、まず、対象企業(利用可能条件)が限定的という点が挙
げられます。
現行の軽減制度の対象となる中小企業は、①赤字法人(特許法)、②
研究開発型中小企業(産業技術力強化法)、③中小・ベンチャー企業(産
業競争力強化法) の大きく3類型であり、小規模企業・研究開発型中
小企業以外の中小企業、設立後10年を経過した黒字企業は対象外とな
っています。
また、現行の軽減制度においては、軽減申請に必要な手続が煩雑なた
め、申請を断念する中小企業が多いとの指摘があります。特に、研究開
発型中小企業については、試験研究費比率が収入金額の3%超であるこ
とを証明する必要があり、その証明書類の作成が煩雑との声が多いよう
です。